Leslie 2101mk2改造とその他機材

レスリースピーカーの回転するホーンは現行もの(ハモンドスズキが生産している)とビンテージものは違うのです。ベルトを付けて回る部分の大きさは同じ、ねじで取り付ける位置も同じなのです。オイルを注す穴の場所も同じです。しかし、ホーンの付け根の太さと穴の大きさが違うのです。これによって若干音が変わります。ビンテージのは音を通過する穴が大きいので少しミッドレンジに厚み(といっても800Hz以上ですが)があります。ほんの微妙な違いですが・・・。 

ということで、現行のレスリー2101mk2にビンテージのホーンを取り付けました。ビンテージのホーンはもう生産されていないのでかなり貴重なんです。これによって少し音が良い意味で変わりました。根元にはコットンのフィルターを付けて本来のビンテージレスリーの出荷時のようにしました。真空管もいろいろと試し、マイクロフォニックではない状態の良いビンテージの真空管を選び、抵抗を調節し完了しました。 

残念なことにこのホーンドライバーはメーカーがビンテージのJensen V21に周波数特性が近いと言っておりますが、高音の2khzあたりからそれより上が鋭い耳につくような音であり、どうしようもありません。それだけビンテージのホーンドライバーが良いという事なのですが、このことで悩んでいて試行錯誤していた訳ですが、ノルウェーのハモンドオルガン・レスリーの修理技師の友人がホーンドライバーのケースの45度になっている部分に8mmぐらいの穴を2つか3つ開けてフェルトで蓋をする(これは埃やごみが入らないようにするため)と高音が滑らかになるという事を教えてくれました。本来は振動板にもあまりよくないのですが、この鋭い違和感がある音をなくすために改造してみました。するとかなり高音が滑らかになり鋭い音が弱まり、よりビンテージの音に近くなりました。ここまでの改造をする人はそうそういるとは思いませんが、より良い音になったのには満足です。

あと最近ではデジタルオルガンではどうしても再現できないビンテージハモンドオルガンのプリアンプAO-28の微量の歪み・暖かい音を再現するためにアメリカのオルガンプレーヤーの間で話題になっているエフェクター Tall & Fat を使い始めました。調節は自宅のB3と音量を合わせてから微妙に歪み具合をヘッドフォンで聞きながら近づけていくという感じで調節しました。ほんの微妙な差ですが、真空管やこのMOSFETの回路を通すことにより、奇数次高調波歪みを打ち消し偶数次高調波歪みを強調するように働くので豊かな音に感じられます。これによってライブで使う機材がより良い音でビンテージに近くなったのではと思います。おそらく多くの人がこの機材とビンテージを聞き分けられないでしょう。ビンテージも個体差があるので、状態が良くなければ今のライブの機材の方がおそらく良いかなと思います。