私の師匠Willie Pickensが言ってくれたこと

先日私のジャズピアノの師だったWillie Pickensが亡くなった知らせを聞きました。ノーザンイリノイ大学でジャズピアノを専攻していた時に本当にたくさんのことを教えてくれました。音楽のこと以外にも人生やその他についても多くのことを語ってくれました。 

最近では私を慕ってくれる後輩や同年代のミュージシャンがいるので彼が言った素晴らしいこと事を書きたいと思います。当時私は大学では他のピアニストの学生よりもジャズを始めたのが遅かったため練習しても追いつかないような感じがしていて才能の差も感じて落ち込んでいました。そんな話をすると彼は、 

「どこに行っても自分より上手いプレーヤーはいる。だからまずは心を落ち着かせて自分のできることを続けなさい。自分のスタイルがあれば、競争はなくなる。だから、自分の好きなものを追求して自分のスタイルを確立するように努力を続けなさい。」 

と言いました。今でもこの言葉を常に思って続けています。そして教えるときは悩んでいる後輩にも言ったりします。 

日本ではなぜかすぐに人と比較する傾向にある気がします。受験勉強などで小さいころから人と比べられ、そしてコンペティションなんかも大好きで、よく誰がどうとか比べる傾向ですよね。それで自分が焦って落ち込んだりしますよね。でも人と比べるのはナンセンスなんだと思います。残念ながら生まれ持った能力の差はあるので、身体的に速く動いたり、すぐ吸収できたり、感覚的にできたりと多くの差はあると思います。しかし音楽はスポーツと違い競争ではないと思います。スポーツのように勝ち負けではありませんから。 

そんな訳で師匠が言ってくれた言葉を今でも思って続けています。自分のスタイルがあれば競争ではなくなると。あとはそれを好んでくれる人・そうでない人は他の人なので、自分のできることを追求するが大事という事。おそらく彼がこう助言してくれなかったら今日まで続けていなくて演奏するのをやめていたでしょうね。それぐらい自分にとっての重みのある救いの言葉でした。 

競争ではないと。 

そして彼は本当に謙虚でした。レッスンでも生徒が自分より何かうまくできるとそれはどうやってやるのかと質問していました。私もBarry Harrisから習ったビバップのアドリブ方法を駆使して当時はビバップを研究していた時にどうやってそうやってアドリブのラインを作るのかと質問されたのを覚えています。とても謙虚な人だなと思いました。そして一生勉強でこれからもっと上手くなりたいという姿勢が伝わってきました。彼は当時72歳ぐらいでした。 

PS. 今日はそんなことを思い出しながら彼の演奏(昔日本から発売された2枚のアルバム)を聞いています。このアルバムは以前の火事で無事でした。他のアルバム同様に水はかかってしまいましたが。

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