ブルースオルガン

オルガンに向かってブルース弾いて一日スタートすることがあります。僕はブルースピアニストとして活動し始めたのが最初でそれでシカゴに行って、アメリカ各地をサポートとしてツアー(一番大変だったのではオレゴン州ポートランドからシカゴまで3400kmをバンドメンバー交代でノンストップで運転して帰ってきたことでした!)、その後にジャズを本格的に演奏するようになったのですが、ジャズを演奏するにしてもブルースは大切だと僕は思っています。日本はどうか知りませんが、残念ながらアメリカの大学でジャズを勉強している学生はブルースが12小節の簡単な音楽だと思っている人がほとんどで、とても違和感を感じ、60年代以降のジャズしか聞かない(つまりビバップもスイングも聞かない)学生が多かったです。でもブルースを演奏するのはシンプルですが難しいです。いかにあのサウンドや雰囲気を表現するかとか考えると深くてジャズやその他の音楽同様に難しいと思います。もう15年以上前にウイントンマルサリスのワークショップが僕の通っていた大学であって、話す機会があった時になぜ最近の大学のジャズ科はブルースを軽視するのかって質問をしたら、それはあってはならないことと話をしていたのを思い出します。 

コード進行もシンプルで、歌い方やフレージングもペンタトニック中心、それでいてカッコよくというのはジャズなどコード進行もいろいろあって、歌い方やフレージングも多様というのと全く逆でそれはそれで難しいと思います。最近自分がスタートした原点に戻ってピアニストのJohnnie Johnson, Otis Spann, Johnny Jones, Dr. John, Professor Longhairなどリストが続くのですが、いろいろと聞いています。それこそ18歳から20歳すぎごろは特にシカゴブルースピアノをコピーしまくっていたのですが、今聞くと細部までコピーできていなかったんだなと思ったりします。 

ジャズ演奏するようになってピアニストとして活動するようになって、後にオルガンに転向して黒人街で毎週演奏していましたが、そこではジャズやブルースをジャンル分けせずに普通に演奏していました。それだけ昔の黒人ミュージシャンやお客さんにとって自然な事でジャンル分けするのはナンセンスな事なんだなと思いました。 

まあそんなわけでオルガンでもブルースをと思っています。でも知っている人は知っていると思いますが、ブルースの鍵盤楽器ってピアノが主流なんです。オルガンがバンドに入っていても(例えばBB Kingなんかよくオルガン使っていましたね)、オルガンは後ろでコロコロと転がったピアノのように弾くことはないので、アプローチも全く違うんです。そしてベースがいることがほとんどなので、オルガンがジャズのようにベースを弾くことがないんです。だからある意味あまりないような感じでオルガンがジャズのようにベースを弾きながらブルース弾くのは新たな感じになるかななんて思いながら難しいですがやっています。

ということでちょっとしたブルースの話でした。