土田晴信のブログ (Hal Tsuchida's Blog)

ボーカルとのカルテット(Misty) 

意外とボーカルとハモンドオルガンという組み合わせは少ないですが、それでも先人のミュージシャンは結構レコーディングしていて、私もボーカルと演奏するのは好きです。いつもBarBarBarではオルガントリオとボーカルのカルテット編成で定期的に演奏していますが、ボーカルのデコさんも私も当日にリハーサルやるとその曲は新鮮さがなくなってしまうと感じるのでリハなしで本番の駆け引きで進行していったりします。シカゴにいた時にベテランミュージシャンはたくさんの曲を知っていてしかも即座に他のキーに転調していたのを目の当たりにしたので、その基準を重視しつつ、知っている曲は譜面見ない、転調できるようになるべくするようにしています。また違うキーでやると新鮮だったりします。(もちろんアレンジ譜だったら譜面見る必要があるわけですが。) 

というわけで以前のライブの時にリクエストを頂いたMistyを演奏しました。良い曲ですね。スタンダードキーはEbですが、Eroll GarnerはAbで初期のころは録音していたので、おそらく本当のキーはAbだと思いますが、晩年の映像を見るとCでやっていたりととにかくいろいろやってました。

依頼を受けたレスリー122修理2 

以前修理したレスリーの修理2回目です。前回はアンプのオーバーホールをしましたが、その際にどうしても歪み系のノイズがするので今回は詳しく調べながら修理していきました。でもお店の開店前とバンド練習のため使用されていた関係で限られた時間は3時間のみ。かなり厳しい状況でした。 

まず疑ったのがホーンドライバーですが、その前にホーンとウーファーを別々に鳴らして確認するとウーファーの時だけでも歪みが発生したので、まずはすべてのネジやビスを確認するとたくさん緩んでいるものがありましたので、すべて締め直しました。 

ホーンだけ鳴らしてみるとやはり歪んで聞こえます。分解清掃、ダイアフラムの位置調節するために分解してみましたら、まずダイアフラムがマグネット側に固着。普通はガスケットがあるのですがガスケットがありません。ガスケットがあるために固着するはずがないのですが、慎重にはがしていくとダイアフラムがくっついているはずの反対側がいとも簡単に外れました。この時点で何かおかしいなと思い、慎重に固着している側を剥がしました。その途中でダイアフラムからの線が切れました。いろいろと観察してみると本来動かして調節するのに糊のようなものがついていて動かなかったこと、ダイアフラムからの線がオリジナルのようにつけられていなかったことなど推測すると、このホーンドライバーは以前に何かいじられた、おそらくダイアフラムが交換されたか何かで、その影響でずっと微妙に歪んでいたのではないかと思います。ということで残念ながら、このユニットは正しくダイアフラム交換と位置調節するしかなさそうです。ただしそんな時間(今週末にこのレスリーは使用される・私が演奏するときに使うためと今後修理にしばらく来られない)がないので自宅にストックしておいた後期型レスリーのローラ製(知り合いの技師にそう教えてもらったので確実ではありません)のホーンドライバーと交換することにしました。ちなみにダイアフラムはアメリカからパーツを輸入しなければならなくて、しかも結構高いのです。もちろん持ち主さんと相談するわけですが、よければこのローラ製V-21を使用して頂きたいと思っています。そしてこのオーバーホールが必要なジェンセンV-21はいずれ私が時間のあるうちに修理できればと思っています。帰宅後にこのローラ製V-21のホーンドライバーを清掃してチェックしたのですぐ交換できるようにしました。その時に初めて自分のレスリーで試しましたが、オリジナルのジェンセンV-21のものと比べても遜色なく良い音がしました。 

 

その他にやったのはクロスオーバーコンデンサーの劣化でこもった音になっていたのでクロスオーバーコンデンサーの交換で信頼のあるTrek II社のものを使用しました。本当に時間がなかったので作業が早い方法をとりました。本来はオリジナルの線がからげてはんだ付けしてあるのでそれをきれいに取って新しいものをはんだ付けするわけですが、今回はオリジナルの線をカットしてそこからはんだ付けして収縮チューブで保護という方法にしました。それぐらい時間との勝負でした。交換後の音はやはり輪郭がくっきりとしていて前とはかなり違います。 

その前にやったのはモーターのOリングの交換で、すでにこのOリングは亀裂が何か所もあったので交換しました。それでも回転時には擦れる音がしたので円盤が取り付けてある場所の位置調整しました。これにはインチの六角レンチが必要になります。その後は埃だらけだったので掃除機で清掃しました。 

ということで今週末の演奏の前にローラV-21を取り付けて作業すべて終了となりそうです。 

できればオリジナルのまま劣化したハモンドやレスリーを修理するのがやりやすいですが、いつもそういうわけではないのでいろいろなことが起こります。でもこれでこのレスリーは今後メンテナンスフリーで何十年もいけるでしょう。

なぜアドリブが上手くならない? 

最近セッションやワークショップの参加者の方と話す機会が増えて、よく質問されるのがなぜアドリブが上手くならない?ということでした。そのことについて今日のセッション後は参加者の皆さんにカフェで熱弁したので、どうせだったらということで帰宅して動画にしてYouTubeにアップロードしました。気がついたら30分以上話していたので前編と後編に分けました。

修理したレスリー122のアンプの納品 

修理依頼で完了したレスリースピーカーのアンプを取付けに行ってきました。自宅でテストしたときは完璧でしたが、もともとそのアンプについていた真空管を取付けて持参したオルガンを接続してテストしました。 

修理前より音圧も上がり本来の音量がでるようになりました。回転のスピード切り替えも問題なくスムーズになり修理したアンプはとてもいい感じです。しかしここで少し問題が。まずレスリーに回転を速くするとモーター付近から擦れる音が。この問題探るために蓋を外して中を見るとスローモーターのゴムに亀裂があり、かなり良くない状態ということがわかりました。これは交換しないといけませんが交換に必要なゴムリングは自宅にストックしてあるので次回の修理依頼でできれば交換したいと思います。 

音に関してはかすかな歪が。本来の状態の良いハモンドとレスリーはボリュームが大きくなければ歪まないので明らかにこの歪はおかしいと思いました。ここで考えられるのはホーンのツイーターの振動板がずれているかゴミが挟まっていてクリーニングが必要か。ボイスコイルの状態が悪いのか。もしくは真空管の状態か。 

いろいろと疑い場所があるわけです。でも大体は検討がつくのですが、これらを1つ1つ消去法でチェックしていきながら直すわけで、残念ながら今日は時間切れ。今の状態でも音的にはそこそこいいのですが、レストアした状態と比べるとまだまだな感じです。ということでビンテージハモンドとレスリースピーカーをしっかりとメンテした状態にするというのは時間とコストがかなりかかります。ここでどこで妥協するか、どこまで修理するかが個人個人の判断になります。時間と予算がある人、どうしても最高の音にしたい人、DIYで直せる人は徹底的に直すといいと思います。 

依頼を受けたレスリー122アンプのレストア 

ようやくまとまった時間がとれたので依頼を受けたレスリースピーカー122のアンプの修理を終えました。すべてのコンデンサーと抵抗、ダイオード、スピードを切り替えるリレー、接続するために6ピンソケット、ボリュームポットを交換しました。ということでトランス以外のすべてのパーツを交換となりました。予想以上に修理の時間(10時間)かかってしまいました。 

交換だけならそこまでかからないのですが、まずこのアンプは以前に誰かが配線を滅茶苦茶に接続して一部のパーツ交換した形跡があったため、すべての配線をチェックしながら本来の配線に戻しながらパーツをすべて交換しました。配線のはんだ付けも信じられないぐらい雑でした。よく今まで動いていたのが不思議なくらいです。直しているときはかなりの怒りがこみ上げてきました。修理するなら中途半端ではなく、良いパーツを使い、しっかりとした修理をすべきだと思います。ということで誰かがいい加減な修理をしたものを修正してレストアするのは余計な時間と仕事が増えた結果となりました。 

完成してテストをしたら本来の良い音で動作もすべて正常に確認できたのできたので、無事に修理を終えました。 

修理技師も数人素晴らしい方を知っておりますが、あまり知識がない技師(ハモンドやレスリーの修理経験がない)には頼まないほうがいいと思います。今回はおそらくあまり知識がない、経験がない修理技師がパーツを交換してその際に配線も変えてしまったのだろうと思います。私は自分で修理できたらいい、日本では自分の年代やそれより下の年代でハモンドとレスリーを直せる人を知らない、そして今後この楽器を存続させるためには誰かが直せないと存続が危ないと思ったので修理し始めましたが、その時でもサービスマニュアルやレストアマニュアルの本を何回も読んで作業を把握してから実際に修理しました。今でも慣れてない箇所や直したことのない箇所は事前にかなりのリサーチします。もちろんそれでもいろいろと小さな失敗は時々起こります。幸いハモンド修理技師が集まるサイトがあったり、またお世話になっている先輩の技師にも時々アドバイスもらったりしているので助かっています。もうビンテージのハモンドオルガンやレスリースピーカーは生産されていないので大切にしたいですね。 

ということで来月このアンプを届けるとともに演奏するので楽しみです。きっと良い音で鳴ってくれるでしょう。お店の方やお客さんもレスリースピーカーで鳴る音の良さが伝わってくれればさらに嬉しいですね。

 

 

なぜアドリブが弾けない?理論やスケール覚えてもうまくならない! 

今回はなぜアドリブが弾けない?理論やスケール覚えてもうまくならない!という内容です。ジャズやブルースを勉強していてアドリブがうまくできないという人が多いと思います。そこで教則本を買って勉強したりレッスンを受けたりしても全然うまくならない理由について話してみました。今回はピアノでも弾きながら説明しました。 

7thコードの種類と覚え方・表記・6thコードの話 

今回は7thコードの種類と覚え方・表記・6thコードの話です。実用的な表記の仕方や少しマニアックな話もしています。 

これで超基本編はおしまいでここからダイアトニックコードやノンダイアトニックコードの説明、高度な話やジャズなどの話もできます。次回の予定としてはジャズとかブルースの話も少しずつしていこうと思います。スケール覚えてもアドリブはできない、うまくならないという内容にしようかなと思っています。それと教則本買って読んで理論を理解してうまくなった気になってもうまくならずに本だけ増えるとかそういう話もしていこうかなと思います。 

コード(トライアド・3和音)の覚え方 

コードを覚えようという事でまずはトライアド(3和音)編を作りました。4和音とかテンションコードの説明する前に土台である3和音を覚えないと先に進まないので覚え方とその他大事な話をしました。 

簡潔に終わろうとしたらついついいろいろな話をしてしまいました。参考になれば幸いです。

インターバルについて 

今回はインターバルについての動画です。これで次はメジャースケール、マイナースケール、コード、ダイアトニックコードと続きます。 

ということで動画はこちら。

動画では移動ドのソルフェージュについて少し話をしていますが、機会があれば移動ドのソルフェージュについてもいずれ話をしたいと思います。絶対音感は幼少期を過ぎたら身につかないので移動ドのソルフェージュを習得して相対音感を身につけることがお勧めです。高いレベルになると絶対音感にも匹敵しますし、年齢に関係なく習得できます。私も絶対音感(と言ってもせいぜい3和音から4和音ぐらいまで)がありますが、音大時代は強制的に移動ドのソルフェージュで相対音感の訓練を受けたので今ではコードをボーカルものからチェックするときには相対音感の方がはるかに役に立っています。

先日のライブのカルテット演奏の動画 

先日のライブのカルテット演奏の動画をアップロードしました。

ビバップの定番の曲でこの曲というとCharlie Parkerなのですが、私が一番最初に聞いたJimmy SmithがArt BlakeyやLou Donaldsonといったメンバーで録音したバージョンを思い出します。ということでConfirmationをお送り致します。

キー(調)についての続き 簡単な判別の仕方 

前回のキー(調)についての続きの動画です。これで調号を見ただけで簡単にメジャーとマイナーキーが分かると思います。もう慣れて調号を見た瞬間にすぐわかるのですが、実はこの方法知らなくて生徒さんに教えてもらい、これはとても使えると思いましたので動画にしました。日々勉強ですね。 

これからも音楽理論編続きますが、ちょっと気分変えてジャズ系についても話そうかなと思っています。でも性格上何事も途中からするのもどうかなと思ってたりします。要望があればジャズも並行していってもいいかなとも思っていたりします。

キー(調)についてマスターしよう! 

これからいろいろな音楽理論を展開していくわけですが、その前にレッスンの生徒さんからなどの要望があったのでキー(調)についての書き方・覚え方を説明しました。これから展開する理論に比べてあまり面白くありませんが、詳しく説明すると意外に長くなってしまいました。 

少しでも役に立てたら幸いです。 

追伸:こうやって基本的なことを詳しく説明するのは逆に難しかったりします。

カウントの出し方 

バンドで演奏する機会のある皆さんはカウントの出し方を知っていますか?

今回はカウントの出し方について説明してみました。カウントするのは割と簡単なのですが、セッションや現場で意外にカウントが出せない・どう出したらよいかわからないといった状況を感じることがありますので、お役に立てればと思います。 

一発撮りで喋りもまだまだですが頑張って向上したいと思うのでまあ大目に見てください。ご意見・リクエスト等もお気軽にどうぞ。

YouTubeで音楽知識のシェア開始 

以前から考えていて、今年から始めようと思っていたのは音楽知識のシェアで、これからYouTubeで展開していこうと思っています。とりあえず第一弾は音名について覚えようです。超簡単ですが、これ知らないと全く進まないのでとりあえず手始めに作りました。一発撮りでユーチューバーのような感じでやりましたが、喋るのは難しいですね。これは慣れるしかないですね。(笑) 

ということでいろいろな意見・リクエストお待ちしております。

Hammond B3の最後のレストア 

ハモンドB3のレストア最後の工程です。ここまでやるほ修理技師はほとんどいないと思います。 

よく上鍵盤のレールの塗装が剥げて錆びていることがあるのですが、以前は自分でタッチアップの塗装でかなり目立たなくしていました。でもやるなら徹底的にしようと思ったので、自動車の板金塗装の知り合いにお願いしてサビの除去と再塗装してもらいました。新品のような状態になり、その後は自分でHAMMONDのロゴを取り付けました。これで自宅のB3、A100、レスリー122、45のレストア終了です。まあさらにやるとしたら外観のニスを全てヤスリで落とし、傷や凹みをパテで埋めたり、表面の木を貼り替えたりしてニスを塗るということですが、そのためには中身をすべて取り出さなければならなくてとんでもない作業になるので、その工程はやりません。傷もそのオルガンやレスリースピーカーの歴史ということで。 

オルガンとレスリーのレストアにかかる時間は100時間以上かかります。もちろん状態にもよるのですが、そこまでかからない個体もありますが、だいたいこれ以上手をかけるところがないというところまでするとそれだけかかります。 

見た目そこそこ良し、音最高、鍵盤タッチの感触最高となりました。

 

Hammond A100のレストア 8 

いよいよA100のレストアの最後です。ハモンドオルガンの心臓部であるトーンジェネレーターという部分にたくさんのコンデンサーがついています。だいたい1964年製以前のものはワックスコンデンサーが付いていて経年劣化しています。これにより音がこもったハリがない感じで本来の音ではない状態になります。これを解決するにはこの部分のコンデンサーを全て交換することになるのですが、交換するコンデンサーにより音も変わってくるのである程度選ぶ必要があります。 

この作業は特に今回レストアしているA100では一人では大変で、重い鍵盤部分を動かすことになるので、尊敬している技師である山本さんにお願いしました。 

40kg以上ある鍵盤部分を慎重に二人で動かして作業できるスペースを作り慎重に交換していきます。作業自体は単純ですが、交換する数がたくさんあるので時間がかかります。そして今回は山本さんにいろいろと伝授してもらいました。 

まず山本さんの作業はとても丁寧で見た目もきれいに修理します。私もその点を重視して整備するのでとても共感できるところです。残念ながらで作業が雑で部品に傷をつけたり、正常に動作すれば良いという感じの人もいますが、整備する側から見て良いとは思いません。 

それでこのコンデンサーはどのくらい数値が狂ってきているか調べてみました。本来の数値の3倍ぐらいなっており、これでは全く本来の音になる訳がないんです。しかしこの劣化したパーツの音が本来の音であるから交換すべきではないという技師やプレーヤーもいますが、それはハモンドオルガンの本来の音、楽器の音をよくわからないと思います。最終的には好みの問題なので劣化した音が好きな人もいるわけですが、工場出荷時の音ではないと思います。 

これでほとんどの作業が終了し、あとは内蔵スピーカーのコーン紙とボイスコイルを交換するのみとなりました。この作業はしなくても良いのですがへたっているので今後のため、本来の音にするために行います。 特に必ずというわけではないのでいつ行うかわかりません。

写真ではどれだけ数値が変わっているかコンデンサーに測定値を書いていきました。 これでどれだけ数値が変わっているのかがわかります。経年劣化しています。

とてもマニアックですが、実はワックスコンデンサーの前期型と赤いMylarコンデンサーの後期型がありますが、約2年ぐらいの中間期にはGeneral InstrumentのGIコンデンサーというオレンジのワックスコンデンサーがあります。私のA100は一部にそれが使われていたのですが、もし全部に使われていたら今回のコンデンサー交換(これをリキャップという)はしなかったでしょう。このコンデンサーは劣化が少なく、ワックスコンデンサーの良い特性を持っているのでこのコンデンサーが全てに使われている場合は交換しなくても良いと思います。 

このトーンジェネレータのコンデンサーの交換(リキャップ)はもっと深い話、たとえば一個一個のトーンホイールの調整が必要かどうかという議論がありますが、これは人により意見がかなり分かれるのでここで止めておきます。 

これでB3同様にA100もとてもいい音になりました。うちにレッスンや遊びに来た方はぜひぜひ試弾してみてください。

 

Leslie 45と122のレストア(スピーカー) 

これでレスリースピーカーのレストアの全ての工程は終了です。レスリースピーカーのウーファーは15インチのものでいろいろなタイプのものが使われていますが一番評判の良くスタンダードなものはJensen P15LL (フィールドコイルのF15LLは除く)というスピーカーなのですが、残念ながらで現在は生産もされておらず、またこのスピーカーより良いという代替品はあまり聞きません。 

しかし50年ぐらいは経っているためにスピーカーのコーン、紙でできているのですが相当劣化しています。当然ですね。そしてこのコーン紙とヴォイスコイルを交換してくれる場所は私の知る限りでは日本では知りません。 

アメリカの知り合いの技師から交換キットを作っているところを紹介してもらったので取り寄せてスピーカーのレストアしました。このスピーカーを予備を含めて3つあるので先日勉強しながらスピーカーのコーン紙とヴォイスコイルの交換の仕方を習得したので、今回は2つほどレストアしました。 

音は低音から高音、800Hz以下の音の出方が変わりました。締まった音になりパンチがある音になりました。これが本来のレスリースピーカーの音なんでしょう。 

これ以上メンテナンスできる箇所はないのでレスリースピーカーのレストアは終了です。 

おそらく私の知っている技師の方もここまでやらないと思いますので、Jensen P15LLやその他レスリーやハモンドオルガンに使われているJensenのビンテージスピーカーのリコーンも承ります。ただしRolaやHeppnerのスピーカーのリコーンパーツは手に入らないので対応できませんので、その場合はスピーカー専門の職人の方に依頼することをお薦めします。

 

 

Hammond A100のレストア 7 

ハモンドオルガンのA100の内蔵スピーカーをオフにしてヘッドホンでも練習できるようにTrek IIのOBL-2 SLを装着しました。本体自体に穴を空けたりするのは好きではありませんが、どうしても綺麗な配線で便利な場所に設置するには必要でした。そしてリバーブアンプのトランスがビリビリとノイズを発生させていてどうしても直らなかったので新品に交換しました。あと真空管も殆どがへたっていたので交換しました。 

あとはトーンジェネレーターのコンデンサー交換と足鍵盤のフェルトとプッシャー(金属のベロのような接点でこれよく曲がっていたりコンディションが悪いものが多いです)を交換する予定です。バスバー(多列接点)は今のところ問題なくきちんと音が出るのでバスバーをシフト(位置を変える)して様子を見ることにしました。

 

Hammond A100のレストア 6 

ハモンドオルガンにはコーラスビブラート(C/V)が付いているのですが、その回路でコンデンサーと抵抗で成り立っている部分があります。ビブラートラインと呼ばれるものですが、そのコンデンサーと抵抗を全て交換しました。 

さてこのオリジナルのものはワックスコンデンサーで大体64年以前のハモンドオルガンに使われています。そして必ずと言っていいほど経年劣化しているんです。しかし一部の演奏者や修理技師はオリジナルの部品に変にこだわるあまりに経年劣化している部品を交換しません。そして理由としてはオリジナルのサウンドでなくなってしまうということなのですが、経年劣化した部品では当然オリジナルの良いサウンド、つまり生産されたばかりのサウンドは出ません 。 

と言う訳でこのビブラートラインのワックスコンデンサーと抵抗を全て質の良いこの回路にあったものと交換しました。交換後はとても良い感じでコーラスとビブラートがかかります。 

後期型の赤いコンデンサーのものは交換しなくても良いのですが、ワックスコンデンサーのものは交換しないと本来のスペックには戻らないです。 

ちょうど交換した時に古いこのワックスコンデンサーがどれだけ劣化しているか測定してみました。全部の部品がへたっていて多くは通常の数値の2倍になっていました。これでは本来の音はでません。そしてこれを本来の音とは言えません。 

何回もこの作業はやっているのですが今回は特に綺麗に仕事ができました。 

そしてキャビネットの歪みの原因がわかり、本来あるはずのビスがない事に気が付きました。このビスは特殊なのでお世話になっているパーツショップでも絶対に手に入らないので、ホームセンターに行って互換性のあるものを見つけて取り付けました。こうやっていろいろと直していると過去にどのような事が起きたのかかなり推測できます。このハモンドも家に届いた時はそんなに良い状態ではなかったのですが、部品交換や修理を丁寧に時間をかけてきたおかげでどんどん良くなってきてます。ビンテージハモンドは良くない状態でも修理すればとても良いものに仕上げる事もできます。これは絶対に現行のデジタルオルガンでは部金交換以外はできないです。 

ということであと1/4ぐらい作業が残っている状態です。でもまだ20時間はかかりそうです。やるなら徹底的にレストアします。